糖尿病外来
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糖尿病外来とは
糖尿病外来は、糖尿病を発症している患者さま、あるいは定期的な健康診断(健診)などで血糖値の高さを指摘され、糖尿病を発症する可能性が高いとされる予備軍の方の診療を中心に行います。
健診で血糖値の数値が高かった、あるいは糖尿病が疑われる症状や訴えがある場合は、発症の有無を確認する検査として、血中の血糖値を調べる(空腹時血糖値)検査やHbA1cの値を調べる検査を行います。どちらも採血後数分で結果がわかります。
以下の症状に
心当たりのある方は、
一度ご受診ください
- 健診等で「血糖値の異常」の指摘を受けた
- 食欲が増し、無制限に食べられる感覚
- 急に甘いものがほしくなる
- 食べているのに体重が減少する
- 酷い喉の渇き
- 尿の回数が多く、量も多い
- 尿の臭いが気になる
- いつも残尿感がある
- 下腹部が痒い
- 手足がしびれる
- 足がむくむ
- やけどや怪我の痛みを感じない など
糖尿病について
糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)の濃度が長期間にわたり正常範囲を超えて高くなる状態を指します。
通常、ブドウ糖は細胞に取り込まれ、エネルギー源として活用されます。しかし、何らかの理由で細胞がブドウ糖をうまく取り込めなくなると、血液中でブドウ糖が増加し、結果的に血糖値も上昇します。
食事や糖分摂取により血糖値が上昇する場合、膵臓はインスリンと呼ばれるホルモンを分泌して、血糖値を調整しバランスを保ちます。インスリンの働きによって、細胞はブドウ糖を取り込み、血糖値は正常な範囲に戻ります。
糖尿病は、このインスリンの働きが低下することによって引き起こされます。その結果、ブドウ糖は効果的に細胞に取り込まれず、血糖値が持続的に高まります。糖尿病の原因の一つは、このインスリンの機能不全にあります。
Ⅰ型糖尿病とⅡ型糖尿病
糖尿病は主にⅠ型とⅡ型の2つに分かれます。Ⅰ型は膵臓のβ細胞が急激に破壊され、インスリンがほぼ分泌されなくなり、急激に血糖値が上昇します。
原因は不明ですが、免疫反応の異常が関与すると考えられ、若い世代によく見られます。
一方、Ⅱ型は進行が緩やかで初期に自覚症状がないことが多いです。
不摂生な生活習慣が原因で中年以降に発症し、95%以上がこのタイプです。
他にも二次性糖尿病や妊娠糖尿病もあります。
注意すべきは合併症
糖尿病は、その病気そのものが恐ろしいわけではなく、放置した場合に生じる合併症(糖尿病に伴って発生する他の病気)が問題です。糖尿病を無視し続けると、様々な血管の問題(例: 動脈硬化)が進行する可能性があります。
特に小さな血管が影響を受けやすく、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害といった症状が糖尿病の主な合併症とされています。また、動脈硬化の進行により、脳卒中(脳梗塞、脳出血)、心筋梗塞、狭心症などの深刻な疾患も引き起こる可能性があります。
それに加えて、免疫力の低下や感染症への感受性の増加、足の壊疽なども起こる可能性があります。これらの事態を予防するためには、早期に糖尿病を認識し、血糖値の管理に積極的に取り組むことが不可欠です。
検査について
当院では血糖値が高いと指摘された、患者さまに典型的な糖尿病の症状がみられるといった場合に診断をつけるための血液検査を行います。診断基準については以下の通りです。
①早朝空腹時血糖値が126mg/dL以上、あるいは75gOGTTの2時間値が200mg/dL以上、あるいは随時血糖値が200mg/dL以上
②HbA1c値が6.5%以上
検査の結果、①と②の基準を満たしていると確認されたら糖尿病と診断されます。なお、①と②のどちらかしか該当しない場合、「糖尿病型」と診断され、再検査をします。その結果、前と同様の結果であった場合も糖尿病と診断されます。
治療について
検査の結果、糖尿病と診断されたら速やかに治療が開始されます。ただ、糖尿病を完治させるのは現時点では困難ですので、その目的は合併症を防ぐための血糖値のコントロールとなります。なお治療内容につきましては、Ⅰ型とⅡ型で多少異なります。
Ⅰ型糖尿病の場合、インスリンがほぼ分泌されていないことから、体外よりインスリンを補うことで血糖をコントロールしていく、インスリン注射(インスリン療法)となります。
Ⅱ型糖尿病は、インスリンの分泌量が不足している、もしくはその効き具合がよくない状態で、インスリンはいくらか分泌されている状態です。このことから、まず生活習慣の改善(食事療法、運動療法)から始めていきます。食事療法に関しては、適正エネルギーの摂取(食べ過ぎや肥満に気をつける)、規則正しく一日三食の食事をとる、栄養バランスのとれた食事(糖質や脂肪の量を減らす、食品交換表の活用 など)に努めるといったことを実践していきます。当院においても管理栄養士による食事療法を行っております。
また運動にはインスリンの作用を高める効果が期待できることから、こちらも実践していきます。ただ激しい運動は必要ありません、具体的には息が弾むくらいの有酸素運動(1回30分程度のウォーキングやサイクリング など)で充分と言われていますが、これを継続的に行っていくために当院連携機関であるプレベントをご活用いただけます。
また生活習慣の改善だけでは血糖のコントロールが困難と医師が判断すれば、これらに併せて薬物療法として経口血糖降下薬も用います。それでも血糖値を下げることが難しいという場合は、Ⅰ型糖尿病の治療と同じインスリン注射が行われます。